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辞令は突然にやって来た(中幕③) [日記]

内示がバレた理由が少しづつわかって来た。

僕のあとがまにやって来る本社のK係長から、内示を受けた朝、事務所に連絡が入り独身45歳M君との会話で内示が交付されたことに気づいたようだ。

本社の係長Kには、北部としか説明されてないために、北部の係長にも内示が交付されていると早とちりしたようだ。北部のポチャリ係長Tと言えば、普段から大人しくて優しい性格なのか、何が起きても動じないタイプの人間。自分のことは棚上げして、騒いでいる45歳独身M君との会話が通じてなくても議論していたようです。^^

さて、僕はその頃、本社管轄の地域で飛び込み営業をしていました。

その日は、梅雨が明ける日差しが強い日でした。1件目のお客様は、ディスカウントストアのような金物屋さん。

店内は所狭しと商品が並べられて、他店に比べたら安い価格、そして商品の濃さにビックリしました。レジにはたくさんの人だかりでまたビックリです。

僕の営業は、メンテナンスサービスの提供です。毎月、サービスマンがお伺いして、設備や機械のチェックをし、未然に故障を防いで、お客様に喜んでもらう商売なんです。

商品を売るセールスと違うのは、目に見えない商品、必要としなければ成立しない商品と言いましょうか、実に売れにくい商品なんです。

ターゲットは、工場だったり、病院、テナントなどの箱物企業なんです。

だから、どうしても最後はその店の店長さんか、オーナーさんへご挨拶をしたかったのですが、店員さんも忙しく商品を並べたり、ラベル貼りをしていてとても話せる空気ではなかったのです。

やっぱ、本社は北部と違う。人がエライことになっているわ~
と、
人には聞こえない言葉で言い訳している自分でした。
タグ:営業センス
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辞令は突然にやって来た(中幕②) [日記]

辞令は、いとも簡単に発令されるものなのか・・
1年前もそうだった。

『北部へ行ってこい』

この一言で、片道90分の職場は毎日通ってしまった。
住めば都で、慣れるまでに時間はかかったが、半年を過ぎた頃から、所長の仕事も一通り出来るようになっていた。そして空いた時間を営業に回っていたら、数件の成約に漕ぎ着けた。

動いていたら、何とか結果はついて来る物だと、この歳でわかった。
お客さんとの繋がり、業者との付き合いも苦にならなくなって、仕事の世界が少しづつ造られてきた。

「よっしゃ~これから頑張るぞー』

と、心の言葉が弾けていた。


内示を受けてから、翌日の夕方
45歳の独身M君が聞いてきた。

『所長、係長は転勤なんですか・・』

(係長は僕と同じ歳の男性で、頭が寂しい、ポチャとした、体格のT係長)

初耳だったけど、聞いてみた
「どうしたの、その情報・・」

『今日の午後、電話があったんです。本社のK係長から』

「なんて。。』

『それが、北部でお世話になるから宜しくと・・言ってました。』
『って事は、内の係長と交代なのかと思って。。』

なんか話が、チグハグだ。
僕の内示は誰にも話してないからだ。
タグ:辞令
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辞令は突然に(中幕) [日記]

事務所の電話が鳴った。

U君は、素早く受話器を取る達人でもある。

「はい! 所長ですね。しばらくお待ち下さい」

本社からの電話だと、ピ~ンと来た。
(きっと部長の電話だ。。)

「はい、代わりました」

『おはよう。ところで、所長に内示だ!』

「あ! 席、移ります。」
僕は、皆がいる場所から離れて所長室へ向かった。
(イヤな予感がする・・)

「はい部長どうしました?」

『お前に辞令だ』
「え!私にですか。。」
『そうだ!!』
『7月1日に戻って来い、本社の営業課長を務めてくれ』

「・・・・・んん 私がですか」

『お前しか おらんのだ』
『イヤかい。。』

「急なことなので、まだ赴任して1年しか経ってませんから驚いています」

『とにかく戻って来い、それじゃぁ』

部長は親分気質な人間なんです。決めたことは白から黒にもならない人なんです。

クソ~

辞令は突然にやって来た(序幕) [日記]

陸の孤島に赴任して1年が過ぎようとしています。
その日の朝礼を終えて、職員で雑談をしていました。

「今年も早、辞令が発令する6月になった」
と若い職員のU君が話していました。

彼は入社して4年、この世界ではまだまだひよこ。しかし本人の風貌は20年のベテラン選手です。このチグハグな体裁がユニークで面白い。

しかし、根はいたって真面目な性格。

私の職場は本社から70キロ離れている地方の中心部に事務所を構えている支所。職員数12名の少数怪物軍団だ!


同じ人間が世界広しと言えど、一人もいないような絵に描いた職場です。
この職場を預かっている人間が僕です


タグ:辞令
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